▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ △▼ 中国経済最前線−特集ニュース版− 1999/10/11 ▼△ ▼△ 《第7号−1》 (NO.14) (発行部数 2,463部) △▼ △▼ http://www1.neweb.ne.jp/wa/prc/ ▼△ ▼△ (バックナンバーの閲覧、ニュース閲覧、読者『掲示板』を用意。) △▼ △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ ====================================================================== 《第7号》中国の航空業界 〜黒字転換というが、本当に収益改善なのか?〜 ====================================================================== ------------------------------- INDEX -------------------------------- ◎《第7号》本文 ◆中国航空業界の黒字転換、民航総局による価格統制は効果があったのか? ◆体質・構造改革が叫ばれる中国航空業界、今後の展望や如何に? ◆搭乗手続き時間の短縮、支線ルートの拡大、果たして中国で成功するか? ◆後書き ◎次回の予告 ---------------------------------------------------------------------- ********************* 《第7号》本文(前編) ********************* ◆中国航空業界の黒字転換、民航総局による価格統制は効果があったのか? 8月16日、国営通信の新華社は国家民航総局(航空業界の統括政府)の発 表して、今年1〜7月は中国航空業界の業績が2億6,200万元の黒字に 転換したと伝えた。前年同期から比べると、約4億7千万元の増益。昨年は 中国の航空業界全体で過去最高の24億元超の赤字を計上するなど、深刻な 経営難が叫ばれていた同業界にも、収益改善の兆しが見えてきたという。 同報告によれば、今年1〜7月は同業界全体で、旅客輸送量が前年同期比で 3.7%増の3,373万人・回、貨物輸送量が同20.8%増の90万ト ンになった。さらに、今年2〜7月でのトン・km当たりの旅客輸送収入は 9.59元に達し、前年同期比9.6%増となり、この部分による増収額は 11億7千万元に達したという。 収益改善に取り組んだ措置として、新華社などは大きく以下の4点を挙げて いる。 (1)全面的な割引禁止 今年2月1日から国内線の全面的な割引禁止(価格統制)を行ったことで、 単位当たりの収入が増加した。(上述の通り) (2)販売代理店の整理による販売経費の削減 6月末までに123社あった代理店のうち、営業停止・整理などで33社 を削減。また、49社については(違反などによる)罰金を課すなどして、 販売店の経費を4,100万元削減した。 (3)減便などによるコスト削減 今年は150座席以上の中大型航空機の新設を禁止。国内不採算路線の削 減のため、7月末までに航空機3機を削減。今年の夏季・秋季では国内航 空路線で、路線数が5.4%減、座席数が2.8%減となった。さらに、 国際路線の削減も検討中という。(新華社では、減便による損益の改善幅 については触れていなかった。) (4)企業管理の強化による収益改善 企業管理の強化によって、東方、北方、山東航空が赤字から黒字に転換し、 雲南、廈門、上海、長城、深セン航空などが引き続き黒字を記録。南方、 西北、南京航空などが赤字を削減した。 一見すると、政府の一連の対策が中国航空業界の収益改善に大きく寄与し、 今後は明るい展望が見えてきたかの様に思える。しかし、本当にそうなのか? 最近の中国では、これら政府発表に異を唱える媒体も増えてきた。 以下、中国内の別の新聞、雑誌やその他の文献で得た情報を基に、筆者の知 識などを総合して、政府発表が本当に業界の実体を示しているのか、検証し てみたいと思う。 先ず、上記の(2)と(3)については、販売店を削減し、不採算路線を削 減したとの事であるから、単純なコスト削減策としては、ごく当たり前の事 であり、特に異論はない。問題になりそうなのは、(1)と(4)というこ とになるであろう。 値引き禁止によって収入が拡大したというが、2〜7月だけで増収額が11 億7千万元にも達していながら、最終黒字が2億6,200万元というのは、 納得できない数字である。1月に大幅な赤字を記録したとも考えられるが、 説明は難しい。別のところでマイナスの要因が働いていると考える方が妥当 ではないだろうか。 次に企業管理の強化についてだが、新華社などは内容には何も触れていなか ったため、詳細を確認する必要もありそうだ。 その前に、中国の航空業界の変遷について簡単に触れておきたい。 中国の航空業界を取り巻く問題点や今後の展望について語るためには、その 生い立ちを復習しておく必要があると思う。 ご存じの通り、改革・開放政策が行われる前までは、計画経済のもと、中国 の航空会社は国営1社の独占であった。改革・開放政策が進む中、航空業界 にも競争原理を働かせるため、87年に中国政府は航空会社を中国国際航空、 東方航空、南方航空などの6社に分社化した(六大航空会社の誕生)。ただ、 分社化したとはいえ、国家が所有し経営する「国営企業」である事に変わり はなかった。 その後、雲南航空、武漢航空など、地方の航空会社が相次いで登場。深セン 航空、海南航空、四川航空など株式制を導入した航空会社も含め、現在では 二十数社が乱立するまでの大競争時代となった。 その間、中国の航空市場も拡大を続け、90年代半ばまでは航空旅客輸送量 が年率20%程度のペースで増加していった。そのため、航空会社の乱立で 増便と値下げ競争が乱発しても、辛うじて収益を確保できていた。ところが、 97年以降からアジア経済危機なども影響し、中国経済の低迷とともに航空 旅客輸送量の増加も鈍化し始めた。そして、昨年は前年比で3.5%増の、 800億人・kmと低い伸びにとどまったため、旅客の奪い合いが更に激化 していた。 90年代初頭からは、国営の工業企業などで政治からの経営の分離が叫ばれ るようになり、国営から国有に名称が変更される中、「六大航空会社」も経 営を国家から請け負う国有企業に変遷していった。しかし、国家所有の前提 が崩れていないため、経営体質は大きく変化しないまま現在に至っていると いう。 この様にして競争が激化する中、中央政府は昨年から国内路線の割引率を最 大2割までに制限するようになった。そして、今年2月からは団体割引だけ に1割まで認める以外、全面的に値引きを禁止した。 これにより、一人当たりの単価が跳ね上がったことは間違いない。 しかし、一部の路線では大打撃を被っているようだ。深セン−武漢間は従来、 ドル箱路線として各社の大きな収益源であった。繁忙期の搭乗率は90%に 達し、閑散期でも70%近くに達していた。ところが、今回の割引禁止によ って状況は一転した。2月から8月までの搭乗率は、繁忙期で30%、閑散 期では20%にまで落ち込んだという。 民航総局の決定に合わせたかの如く、深セン−武漢間で夕方出発して翌朝到 着する鉄道路線が価格250元で開設された。これが、航空旅客落ち込みの 最大の理由と言われているが、同路線の航空料金が一律780元で設定され ている現状では、勝ち目がないという。 同路線に乗り入れている三大航空会社は現在、価格を450〜500元に引 き下げることを民航総局に要求しているという。だが、1つの例外を作るこ とで、なし崩し的に崩壊することを恐れる民航総局は、二の足を踏んでいる。 このような状況下で、国際路線を含む業界全体では今年上半期(1〜6月) の旅客飛行距離及び搭乗率がともに2.8%減となった。国内路線単独での 落ち込みは更に大きく、例えば東方航空は旅客飛行距離が17%も低下し、 搭乗率は約10%低下して、およそ52%にまで落ち込んだという。そのた め、大部分の航空会社は政府の価格統制によって収益が改善されたとは、決 して思っていないらしい。 「搭乗率が低下したことで、むしろ損失は拡大している。将来的に料金割引 を再開したとしても、鉄道などに一度奪われた旅客を取り戻すのは、非常に 困難だ。」と、危機感を募らせている航空会社も多い。 結局、一人当たりの単価は上がったとしても、利用率が下がったことで、大 部分は相殺されてしまい、相対的な収益は実際には大きく改善されていない のかも知れない。 搭乗率が低下した理由のもう1つには、各旅行会社の収益悪化も起因してい るようだ。今年2月から、従来の団体割引が2割引から1割引に削減された ことで、国内旅行社全体の収入はおよそ10億元減少したという。 当然のことながら現在の中国では、航空運賃が値上ったとしても、利用客へ 直接転嫁することは難しい。特に景気低迷が続く現状では顕著だ。然るに、 各旅行社も利益率の低い航空機利用を少なくする方向に傾いていくのは、必 然的な成り行きだ。 こうして見てみると、価格統制による収益改善効果は薄いように思われる。 そこで、次に企業の管理強化による収益改善効果であるが、リストラや経費 削減については、今や何処の国有企業でも実施していること。特に目新しい ことではない。小さな努力の積み重ねで収益が若干改善した企業もあるかも 知れないが、劇的に改善したわけではないようだ。 収益が拡大した最大の要因の1つは「東方航空が保有航空機9機を売却して リースに切り替えたこと。」と、みる関係者が多い。これによって、およそ 2億元の現金収入が舞い込んだ。これは、確かに大きな収益増といえそうだ。 ただ、関係者によれば、「販売した航空機の大部分は近いうちに減価償却を 迎えるもの。従って、本質的にコスト削減に大きく寄与したわけではなく、 単に近い将来得られる筈の利益を前倒しで受け取ったに過ぎない。」との手 厳しい意見もある。 他にも、最大手の南方航空が米デルタ航空との共同運行に乗り出したことで、 業界の構造改革には大きく寄与しているが、現時点で収益改善に大きく寄与 したともいえない。 となると、航空機売却以外の収益源は何なのか? どうやら、別のトリックが存在していたようだ。 ◆体質・構造改革が叫ばれる中国航空業界、今後の展望や如何に?(前編) 中国政府は、親方「五星旗」を引きずったまま本質的な改革が進まない国有 航空会社にメスを入れるため、今年中に国家所有の財産権を各企業に移管す る事で調整が進められていた。しかし、早々と半年の延期が宣言され、多く の業界関係者は落胆の色を隠せない。 専門家の多くは価格統制などよりも、最も重要なことは国有航空会社の財産 権移転だと明確に答える。 価格競争が激化することで最も苦しんでいるのは、地方の航空会社。株主へ の利益責任を負わされている株式会社は特にそうだ。大手国有航空会社は、 その規模や資金力が勝っているだけでなく、多くの経営陣は収益に対する責 任感が非常に薄い。そのため、赤字になっても気にすることはなく、多くの 場合は経営責任を問われることも少ないという。 ところが、株式会社などでは3年連続で赤字を脱却できなければ、経営者は 即座に解雇となるし、それより厳しい条件が課せられている場合もある。あ る地方の航空会社では業績悪化を理由に、今年の交際費が半分に減らされた。 ところが、一部の国有企業は経費削減ではなく、増えている所もあるという。 さらには、「君たち株式会社では赤字を続けられない。が、我々(国有企業) は赤字を続けられるし、赤字になっても誰も困らない。(困るのは政府だけ ?)だから、6割引のチケットを代理店に卸すこともできる。」と、以前は そのような事を平気で発言する国有航空会社の地方幹部も居たらしい。 そのような状況が影響して赤字から脱却できなかったかどうかは判らないが、 民航総局は今年、各航空会社の収益改善を大きく拡大させる「ウルトラC」 をついに打ち出した。 ★ 後編はここをクリックして下さい。
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